NEXTSCAPE blog

株式会社ネクストスケープの社員による会社公式ブログです。ネスケラボでは、社員が日頃どのようなことに興味をもっているのか、仕事を通してどのような面白いことに取り組んでいるのかなど、会社や技術に関する情報をマイペースに紹介しています。

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コーチングの注意点(『この1冊ですべてわかる コーチングの基本』より)

株式会社ネクストスケープ、ソリューションビジネス部に所属している小野塚と申します。

「コーチング」という言葉、「コーチ」という言葉は聞いたことがあってもコーチングはあまり聞いたことが無い方もいるかもしれません。
スポーツの指導を行う人をコーチと呼びますが、その場合のコーチが教える行為はコーチングではなくティーチングと呼ばれます。

本記事で扱うコーチングは目標達成をサポートするためのもので、「教える」ものではありません。
「能力育成」と表現する場合もありますが、「育成」という言葉は若干違う気がしています。それはこの記事を読んでもらえるとわかるかもしれません。

私の前職の社長はこのコーチングに非常に長けていました。
前職、私が入社した時は10人程度のベンチャーで、経験・知識不足だった私も色々と鍛えてもらいました。
ある時自分の能力の無さにほとほとあきれ果て、辞めようと思って社長と1対1で話す機会を設けてもらったのですが、何故か話し合いが終わったときには「よし、頑張ろう!」と思って終わるという不思議な体験をしました。

その時の話の内容・進め方は今思えばコーチングによるものであり(実際前職の社長もコーチングの勉強はしていたそうですが)、それを今思い出して改めて取り組もうとしています。

コーチングは現在ネクストスケープで取り組んでいる「サーバントリーダーシップ」にも「傾聴」という点も含め共通点がありまして、エンジニアの皆さん、特にプロジェクトマネージャーやライン長の皆さんには役に立つと思います。

学習にあたってはタイトルにも挙げさせていただいた以下の書籍を参考にしています。こちらは現在私が勤めている会社の社長から紹介してもらった本で非常に良い本でした。 

Amazon.co.jp - この1冊ですべてわかる 新版 コーチングの基本 | コーチ・エィ , 鈴木 義幸 |本 | 通販

今回はこの本から学んだことを元に、ポイントを2点挙げることで、コーチングがどういうものであるか、そのさわりの部分と、陥りがちな問題点について私の意見も交えてですが、紹介したいと思います。
(この後で説明する「コーチ」は運動等のコーチではなく、コーチングを行う人間を指します)

1.すべてはコーチングを受ける側の人間主導

コーチングはコーチングを受ける人の目標・目的の達成を目指すものですが、それを考えるのもコーチングを受ける人になります。
あくまでコーチはそれをサポートする、つまり「支援」しか行いません。
そして、強制や叱責、誘導、そういったものも行いません(叱責は一番駄目ですね)。
この記事の最初に「育成」が好ましくないかもと書いたのはここから来てまして、あくまで「自主性」、自ら育つことが大事なので他の人間により育てられること、「育成」というのは少々違うような気がしています。

上司と部下の間で目標設定や指導をやるときによくやりがちなのが、言わせたいこと、やらせたいことがあって、それを誘導してしまうことがありますが、それはコーチングでは避けるべきです。
人間は自分の聞きたいことしか聞かないことが多いです。そして自分の望む方向に従わないとこれも面白く感じないことがあります。
それはコーチングでは絶対にNGであり、あくまでコーチングを受ける人の意見をちゃんと聞き取り、その意思を尊重するというのがコーチングのポイントの1つになります。

2.他人や他の物事のせいにしない
先ほどはコーチの問題でしたが、こちらはコーチングを受ける人自身の問題になります。
例えば何か問題が発生した場合、それはコーチングにおいて非常に「有益な」タイミングです(この考えは最近皆さんがよく目にしたり耳にしているかもしれない「心理的安全性」という言葉にもつながると思っています)。
ただ、ここでコーチングを受ける人がその問題をメンバーや他の人間のせいにしたりするとコーチングのやりようがなく、先に進めなくなってしまいます。そういう意味では仮にほぼ他責であっても「一旦自分のせいと考えるとすれば」という考え方が必要になります。
個人的には(私もそうですが)自分のせいにしすぎて身動きがとれなくなってしまう人間もいますので、そういう人間に対してはそうならないような工夫が必要かなと考えています。

と、ここまでコーチングの良さについて語ってみましたが、じゃあ、みんながみんなコーチングで幸せになれるの?というとそうではないと思います。
コーチングは上で書いた通り、自主性であったり、自らをちゃんと省みることが必要となります。そのための知識や性質が無いとコーチングは非常に難しいものがありまして、その場合は指導といった形で上の人間が導いてあげる必要があります。
ただそれも「コーチングの段階にない」ということで、いずれはその人もコーチングできるレベルまで引き上げてあげようという思いが背景にあると思います。

ここまでの内容はほんの触りでしかなく、上で挙げた本ではもっと詳しく、色々な内容が書かれています。
立場的にも自分自身の成長だけでなく、後輩の育成も任されていることもあり、非常に勉強になります(現在2回目の読み直しを行っています)。
余談ですが、ネクストスケープではこういったプログラムにあまり関係無い本でも自己研鑽のための書籍(技術書、業界の新聞、雑誌なども含む)購入と認められれば会社負担で購入する事ができます。

途中途中で触れましたが、時々書店やWebで目にする「心理的安全性」や「サーバントリーダーシップ」、これらにも傾聴の技術は非常に重要で関連する部分も多く、コーチングの技術は非常に役立つと思います。

我が社の社長曰く、私以外にもコーチングに興味がある人間が他にも3~4人いるそうです。
興味を持った方は上で紹介した本や他にもコーチングに関する本はたくさんありますので是非読んでみてください。
もしくは、この本の著者であるコーチ・エィ様のコーチングプログラムや、他にもコーチングを学べる講座があるようなので受講してみてはいかがでしょうか。