はじめに
株式会社ネクストスケープ Chief Technology Office所属の小野塚です
ここ最近はCursorやClaude、GeminiといったAIツールに関しての記事が多く、ここ最近も色々と発表があり、話題には事欠かないといいますか、むしろキャッチアップするにも一苦労という状況です。
今回はAI絡みではありますが、久々にMicrosoftに関する情報、しかもAzureではなくExcelに関する機能について書いてみたいと思います。
MicrosoftのAIツールと言えば「Copilot」。Coplilotも色々と進化しているとは聞いておりましたが、なかなか触れずにいました。
そんな中、今回9月29日にCopilotのAgent modeが使えるようになったという発表があり、結構面白そうだったので早速試してみたいと思います。Microsoft社曰く「バイブコ―ディング」ならぬ「バイブワーキング」ができるとのこと。
設定
まずはデスクトップのExcelを開き、「ホーム」ー>「アドイン」で「Excel labs」を検索し、Excel labsが表示されたら「追加」を選択します。
※以下は既に設定されておりますがご容赦を。。

Excel Labsのアイコンが表示されるのでクリック。

すると以下のようにExcel Labsのウィンドウが開くのですが、「Excel for the web」のみ対応ということでした。。

ということでWeb版Excelを開き、再度「Excel Labs」のアイコンをクリックしますと以下のような表示になります。

上の画像のように「Agent mode」が表示されていますので「Open」ボタンをクリック。
すると、他のAIツールのようにプロンプト入力欄が表示されて、これで準備完了となります。

ドキュメント作成
それではAgent modeで作業を依頼してみたいと思います。
まずは「Excel方眼で休暇申請書を作って」とお願いしてみます。
ちょっと話がずれるのですが、Excelで作った仕様書はClaudeで読み込みが可能で、たまに利用することがありました。しかしながらExcel方眼になると(私の持っている資料では)正しく読み込んでくれなかったという経験がありました。
他のツールでも読み込み中のまま止まってしまったりと、あまり相性がよろしくない雰囲気がありまして、今回あえてExcel方眼を指定した次第です。
プロンプトで依頼してから数分待ちますと以下のような、そのまま会社の正式資料として使えそうな休暇申請書が作成されました(実際のExcel方眼はもっとマスが小さいと思いますが、まあこんなものでしょう。。)

プロンプトの入力欄では以下のように出力結果について非常に細かく説明してくれています。

さて、ここでふと思ったのですが、「これは通常のCopilotでもできるんじゃないだろうか?」ということ。
以前、PowerPointではありますが、以下の記事でCopilotを使って資料を作成し、なかなかの完成度だった経験もありまして、ちょっと試してみることにしました。
結果は以下の通り。現在開いているシートに対して処理を行うのではなく、別途Excelファイルを作成し、ダウンロードする形になります。

そして、ダウンロードして開いた結果が以下。
上記のプロンプトのやり取りを読むとAgent modeと同じ結果になりそうな気がしたのですが、結構違ってしまいました。
これはそもそも私のプロンプトが簡単すぎるせいもあると思うのですが、ちょっとこれでは通常の業務では使えなさそうです。

Excel操作
もう少し試してみたいと思います。次にExcelを使っているとたまに必要になるであろうちょっとした編集作業をやらせてみましょう。
以下のように適当に値を各セルに入力し、これを並べ替えてみます。

通常であればフィルター機能等を使うわけですが、Agent modeでも以下のように指示すれば並び替えてくれます(スクショは貼り付けるまでもないので割愛。。)。

ただ、この作業も依頼して完了するまでに1分程度はかかるのでこういったちょっとした作業、かつ自分で対応方法がわかるのであれば自身でやった方が早いかなと思います。
とはいえ、皆さんもExcelを触っていると「これってどうやるんだっけ?」「こういう風にできないだろうか」といったようにExcelの使い方に関してちょっとした疑問が出てくると思うのですが、これもWebで調べたり、もしくはClaudeやChatGPT等の他のツールで調べることなく、Agent modeで自然言語でのやり取りにより対応してくれるわけです。
データ集計・インサイト
あとはデータ集計やそのインサイトに関する操作を紹介しましょう。
まずはサンプルとして仮想コーヒーショップの月次決算書を書いてもらいます。
プロンプトは「コーヒーショップの月次決算報告書を作成して」だけです。

ちゃんとグラフまで書いてくれてますね。
これだけでもすごいのですが、上記が9月分ですので8月分のも作成してもらい、更に「8月と9月の決算内容から判断できることはなんでしょうか。」と投げてみます。
すると以下のように8月、9月分の比較結果をまとめてくれます。

それだけでなく、以下のように文章でも説明してくれまして、そこに書かれた情報の考察だけでなく、今後のアクション提案として単価維持・向上のための施策としてフード併売率UPをするべき等、ちょっとしたコンサルティングまでしてくれます。

Markdownファイル出力
Markdownファイルに出力して、とお願いするとチャット欄に以下のように出力してくれます。
ファイルそのものを作るのではなく内容のみのなのでコピペで別途ファイルは作る必要があるのですが、これができるとなるとExcelで書いたプログラムの仕様書の内容をMarkdownファイルで出力し、Claude Codeやcursorに読み込んでもらって実装することもできそうです。
ちょっと手間ではありますが、Excel、特にExcel方眼の読み込みに対応していないAIツールもありますのでそういったものには使えそうです。

まとめ
ということでClaudeやCursorのように対話式でドキュメントを編集してくれるAgent mode、プログラマーだけでなく、Excelを使用する方々全員が利用できる、かなり便利な機能です。
ちなみに最初の話に戻りますが、実際に使われているもっとマスの細かいExcel方眼でも正しく内容を読み込んでくれました。さすが本家Microsoftというところでしょうか。
更に編集のみに留まらず、ドキュメントの内容に関して上で紹介したようなデータ分析・解析といったコンサルティング的な使い方もできます。
そういう意味ではOfficeというソフトにおいて、より「Copilot」、「副操縦士」という名前がふさわしくなってきたのではないでしょうか。
以前紹介したCopilot in PowerPointは正直なところ「雛形」作成としては使えるのですが、あくまで「雛形」であるためにメインで作業を進めるのは人間の役割でした。
しかしながら今回は主な部分をAIが作成し、あくまで人間はそれの補完やチェックのみとなり、コーディングにおけるClaude CodeやCursor等のようにバイブコ―ディングならぬバイブワーキングを実現してくれています。
現在Agent modeが使えるのはExcelとWord、そして近々PowerPointでも利用可能になるそうですので非常に楽しみなところです。Wordも試してみたいと思います。
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