NEXTSCAPE blog

株式会社ネクストスケープの社員による会社公式ブログです。ネスケラボでは、社員が日頃どのようなことに興味をもっているのか、仕事を通してどのような面白いことに取り組んでいるのかなど、会社や技術に関する情報をマイペースに紹介しています。

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「クラウドを活用した機械学習の実践(AzureML等)」セミナー参加レポート

こんにちは。

先日、Microsoftが主催する「クラウドを活用した機械学習の実践」セミナーに参加してきました。

機械学習は注目すべき技術であり、タイミングよく今回のセミナーに参加できたのでレポートします。
この記事では、「IoTの時代」「スケーラビリティと信頼性(Azure Event Hubs)」「自動検知・判定・学習 (Azure Stream Analytics/Azure Machine Learning)」の3つについて紹介します。

 

 

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セミナーの様子

 

世の中はIoTで溢れている



日常的にインターネットを使用するようになった昨今、パソコン以外にも、スマートフォンをはじめ、テレビやデジタルカメラ、HDDプレヤー、家電製品など、多種多様な"モノ"がインターネットに繋がるようになりました。それらを総称して、モノのインターネット(Internet of Things : IoT)と呼ばれています。

IoTのメリットとして、次の2つがあります。

1)遠隔地の"モノ"の状態を知る・・・温度・湿度・気圧などを知る環境の「状態」、衝撃・振動・移動などを知る「動き」、存在・近接・通過を知る「位置」など
2)遠隔地の"モノ"を操作する・・・エアコンの電源を入れる、お風呂を沸かすなど

IoTによって日々得られる膨大なデータを利用するための機能がAzureには備わっています。その中から「スケーラビリティと信頼性」と「自動検知・判定・学習」の2つの面からいくつか機能をご紹介します。


スケーラビリティと信頼性



Azure Event Hubs



Azureにデータを受け渡すときは、一般的にはHTTPを使用します。しかし、IoTから膨大なデータが送信されてくるとどうなるでしょうか。サービスによっては、遅延が発生して必要なデータが保持できなくなることもあるでしょう。

その問題を解決する機能として、スケーラブルなイベント受信・送信を行う「Azure Event Hubs」があります。Azure Event Hubsを使用すれば、1秒あたり数百万件のイベントをほぼリアルタイムで処理することができるため、IoTから膨大なデータが送られてきても遅延をすることは、ほぼ皆無と言ってもいいでしょう。

一言でいえば、「膨大なデータが送られてきても責任もって請負います」という機能となります。


自動検知・判定・学習



Azure Stream Analytics



「Azure Stream Analytics」は、リアルタイムデータ処理プラットフォームです。Azure Stream Analyticsを使用することで、デバイスの状態をリアルタイムに監視することができるようになります。

例えば、自動販売機を例に見てみましょう。

刻々と変化する自動販売機の商品の在庫や状態、温度などを定期的にAzure Stream Analyticsに送信するとします。受け取ったAzure Stream Analyticsは、温度が適正範囲内か、商品の在庫が不足していないかなど分析を行います。温度が適正範囲外であれば、自動で電源をオンオフするように自動販売機に指示をすることもできますし、商品の在庫が不足しているのであれば、補給するように担当者に通知するなど、状況に応じたアクションをすることもできるようになります。

ちなみに、Azure Event Hubsと統合することで、1秒間に何百万ものイベントのストリーム処理を実現することができます。大量のリアルタイムデータを、リアルタイムに分析ができるため、迅速に次のアクションをとることができます。

2015年3月現在、プレビュー版となっており、2015年上半期にリリースされる予定です。

Azure Machine Learning



「Azure Machine Learning」(以後、AzureML)は、実行知能領域の一つである機械学習を誰でも使えるツールとして提供し、過去の履歴データから将来の成果・業績を予測することを可能にします。

AzureMLは機械学習だけあり敷居が高い印象がありますが、導入は非常に簡単です。

導入が簡単な理由は次の通りです。
1)Webブラウザーで AzureML専用のツール「ML Studio」を使用できる。
2)高額なソフトウェアやハードウェアがなくても始められる。
3)機械学習の設定を称する「モデル」はドラッグ&ドロップで作成できる。
4)機械学習の分析用のアルゴリズムが既に揃っているため、機械学習用のコードを書く必要がない。
5)作成したモデルをWebAPIとしてボタン一つで公開ができる。

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ML Studioの画面

なお、WebAPIは、Azure Marketplaceで販売・購入することも可能ですので、優れたWebAPIを導入しやすくなっているのも非常にうれしい限りです。

ただ、機械学習を行うためには作成したモデルで分析をする必要があります。この実行時間がAzureの課金対象となりますのでご注意ください。

最後に



今回のセミナーは、機械学習の概要がメインではありましたが、利用方法によっては無限に価値を見い出せる可能性のあるツールだと感じました。ビジネスの価値を最大限に提供していくために、これからMicrosoft AzureとAzureMLを活用してまいります。