こんにちは。
ソリューションビジネス部のコイズミです。
この記事は「NEXTSCAPE Advent Calendar 2022」の21日目です。
はじめに
今年の4月~9月、2名の新卒教育を初めて担当することになりました。
昨年度、新卒1名のメンターを担当していたのもあり、白羽の矢が立ったようです。
引き受けたものの、今まで新人教育担当なんて経験も無く、何なら部下らしい部下が付いた事が無かった僕にとっては、「新人教育なんて出来るのか?!」と、とても不安でいっぱいでした。
研修スケジュールの引き継ぎ
昨年度の担当者が考えていてくれていた、研修スケジュールと研修内容を引き継ぎました。
ただ、はじめに研修スケジュールの計画の説明を受けたものの、説明を受けて資料を見ただけでは、教育方針など何もわからず、頭を抱える事になります。
僕がスケジュールを作ったのであれば、何らかの方針があって作成するのだと思ったけれど、他人の作ったスケジュールだったために、どういった教育で進めれば良いのかのロードマップが見えて来ず、頭を抱えました。
そこで、困った僕は昨年度の新卒教育を担当ていたS田さんへ助けを求めました。
引き継がれたスケジュールを持って、昨年度の新人教育担当だったS田さんへ相談をしました。
この時、S田さんからの言葉で覚えているのが
『「彼らに教育して(エンジニアとして)10月までに何が出来るようになって欲しいのか」を考えてみて。』
でした。
この時僕は気付かされました。
『今年の教育方針を自分で考えて自分の思う様に変えても良いんだな。』
という考え方に変わりました。
引き継がれたスケジュールと研修内容に固執していて、その通りに進めなければいけないのだと思ってしまっていた僕は、このアドバイスを受けて考えを改め
『彼らに教育して(エンジニアとして)10月までに何が出来るようになって欲しいのか』
という観点で、教育スケジュールを再考していきました。
幸いにも、4月から5月末までは外部研修だったので、教育方針の練り直しとゴールを設定する時間を取ることが出来るので、僕なりに方針とゴールを考えました。
今年度の新卒教育方針とゴール
引き継いだ研修スケジュールをベースに、今年度の教育方針とゴールを考えて決めました。
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4月~5月
C#基礎(外部研修)
C#応用(外部研修)
SQLデータベース基礎(外部研修) -
6月
ネットワーク基礎(社内研修)
Azure(外部研修) -
7月
ASP.NET Core - MVC(社内研修)
ASP.NET Core - Web API(社内研修) -
7月末~9月
疑似プロジェクト
→ 新人の力だけで、研修で学んだ技術を用いて1つのシステムを要件定義からリリースまで実施するプロジェクト。
🌟(新人教育担当は、)基本方針として『ティーチング』ではなく『コーチング』する。
- ティーチングは、各種研修で受けているので、新人教育担当は『コーチング』でフォローする。
→ 課題・問題に当たった時に新人自ら答えを見つけることが出来るようになって欲しい。
→ 課題・問題の解決策は、相手が持っている。
→ 主体的、自主的に物事に取り組んだり考えたりする姿勢を身に着ける。
❗ ただし、『コーチング』によって新人だけで解決出来ない課題や問題に直面した時は、ティーチングする。
🌟 2022年度新卒のゴール
技術の基礎を身に着け、10月からエンジニアとして一人前とになり、案件メンバーにアサインされる。
教育方針は決まったが・・・
方針は決まったものの、僕自身に一つ大きな不安がありました。
C#の基礎と応用はもちろん、使った事のあるAzureのサービスやバックエンド開発については、ずっと触れてきた技術だったこともあって、コーチングもティーチングも出来る自信がありました。
ただ、入社してからバックエンドエンジニアをしてきた僕にとっては、「利用したことのない Azure のサービス」やフロントエンド周りである「ASP.NET Core MVC」を教えられるほどのスキルを実は持っていませんでした。*1
多少バックエンドを開発するために試験用としてのモックアップでフロントエンドを作る事はありましたが、他人に見せられるほどのWebサイトを構築したことがなかったし、開発した経験もほぼありません。
『新人2人に教えられるのか・・・?』
という不安があり、ずっと悩んでいました。
疑似プロジェクトを始める前、S田さんに疑似プロジェクトで利用する技術について相談する機会がありました。
その時に言われた一言にまた救われる事になります。
「新人に教えられるように『新人達と一緒に勉強ちゃえばいいです。』」
なるほど・・・そうか。
やったこと無い技術なら、一緒に勉強してしまえばいいのか。
また、S田さんに助けられる事になりました。
(今度美味しいラーメンを奢ろうと思います!)
そして、疑似プロジェクトが始まる
あっ、という間に研修期間が終わって、7月末。
新人2人は研修で学んだ事の集大成、「疑似プロジェクト」がスタートしました。
我々から出したお題は、「書籍管理システム*2」です。
ネクストスケープは、自分が学習のために読みたい本がある場合、申請すると会社が書籍を購入してくれる(全額負担してくれる)制度があります。
ただ、購入後の管理がシステム化されておらず、書籍の所在が不明(誰かが持っている or 会社の本棚にある)なので、探しづらい状態でした。
この状態を管理システム化して改善をしたいという、管理本部からの依頼です。
疑似的なプロジェクトではあるものの、『管理本部という顧客から社内システムを1ヶ月半という短い期間で1つ仕上げる』という、
4月に社会人になって半年も経っていない新人2人が行うには、レベルの高い、かなりハードな課題です。
新人教育担当は、教育方針の通り『コーチング』をして、直接答えを出す事はせず、困りごとを聞いて新人達が答えを引き出せる様なヒントを与えることに徹しました。
進めていくと、どうしても新人達だけの力では解決出来そうにない問題に遭遇する
コーチングのヒントだけではどうしても解決出来ない問題に遭遇してしまうので、新人教育担当である我々の出番となります。
新人から「Azure Active Directory」で、とある実現したい機能の質問を受けましたが、僕もほとんど触れたことがなかった機能で、4月時点での僕のマインド状態で何の勉強もせずに、この質問を受けていたらその場回答になってしまい、不適切な回答をしていたかもしれません。
恐れることはありません。『新人達と一緒に勉強ちゃえばいいです。』のアドバイスがあったので、質問を受けるより前に先回りして、実現したい機能について調べて勉強してあったので、適切な回答を新人達に渡す事ができました。
何度か危機的な状況(新人2名のうち、1名がコロナに罹って1週間遅延とか)はあったものの、たった1ヶ月半という短い期間でありながら、新人たちは予定通り「書籍管理システム」を完成させました。
たった3ヶ月という短い期間の研修で、1つのシステムを作り上げたという、とても素晴らしい成果だと思います。
新人教育を担当して『技術者』としても『人』としても成長が出来た
引き受けた当初はあまり自信がなく、不安でいっぱいでしたが、新人教育にチャレンジしたことで、思っていた以上に僕自身の『技術者』としてのスキルであったり、新人を教育する上で、人に教えるためにどう振る舞えばよいのかとか、新人が主体的に自主的に動いてもらえるようにどう伝えればよいか、とか、色々調べたり本を読んだりして、『人』として成長が出来た様に思います。
超不安だったけど、やってみて良かった!
そう思えました。
さいごに
この新人教育というプロジェクト、新人2名という少人数でありながら、幅広い知識を必要とするWebシステムを完成させることが出来たのも2人の努力であり、同じ新人教育を担当した皆さんのお陰です。
あと、新人2人はとても素直で、努力家で、手が掛からなくて、優秀でした。
これからも、ネクストスケープでどんどん技術やら吸収して、成長していって下さい。
以上です。
ネクストスケープでは、一緒に働く仲間を募集しております。
色々なことにチャレンジしたいという方がいらっしゃれば、ぜひご応募ください。