NEXTSCAPE blog

株式会社ネクストスケープの社員による会社公式ブログです。ネスケラボでは、社員が日頃どのようなことに興味をもっているのか、仕事を通してどのような面白いことに取り組んでいるのかなど、会社や技術に関する情報をマイペースに紹介しています。

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生成AIノートアプリNotebookLMの紹介

はじめに

株式会社ネクストスケープ エンタープライズサービス部の小野塚です。
今回はGoogleのノートアプリ、NotebookLMについて触ってみた感想を書いてみたいと思います。

https://notebooklm.google.com/

このNotebookLM、2023年の夏ごろからベータ版としてアメリカ限定で公開されており、そこから生成AIの普及に伴い各国への展開、そして対象とするデータの範囲も広がり、日本語にも対応して今に至ります。
早速アクセスしてみると以下のようなダイアログが表示されまして、個人データがトレーニングに使用されないということが明記されています(文字が小さくて見づらい方はブラウザの機能で拡大してください)。


ただ、他のAIサービスにも言えることですが、NotebookLMは外部のクラウドサービスですのでデータに関しても慎重な扱いが求められます。その点ご注意ください。

さて、上記ダイアログを確認した後は以下の画面へ遷移します。
ちょっと見づらいかもですが、「サンプルのノートブックを試す」と「ノートブックを新規作成」の2つの選択肢があります。

準備・ソースの追加

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普通であれば「サンプルの~」が良さそうな気がするのですが、実際に触ってみた感想としては正直なところNotebookLMのサンプルだけですとソースが英語であるためNotebookLMがどういったものなのかというのがちょっとわかりづらかったです。

そこで今回は「ノートブックを新規作成」で進めていくことにします。
「ノートブックを新規作成」をクリックしますと、以下のような「ソースを追加」ダイアログが表示されます。
NotebookLMはソースを元にチャットでやり取りを行い、ユーザーに情報・データを提供していきますのでまずはソースが必要となります。
以下のダイアログはそのソースを指定(追加)するためのものになります。


対象となるソースは以下になります(2025年5月19日時点)。

  • PDF
  • テキストファイル
  • 音声ファイル(*.avi、*.mp3等)
  • Googleドライブ
    • Googleドキュメント
    • Googleスライド
  • リンク(URL)
    • ウェブサイト
    • Youtube
  •  テキスト

本記事ではまずはリンク→Youtubeを試してみましょう。
上記ダイアログで「Youtube」を選択するとURLを貼り付けるダイアログが表示されるのでそこに対象としたいYoutubeのURLを貼り付けて「挿入」ボタンを押します。

今回はNotebookLM繋がりということでGoogleの提供している動画、Lookerに関する動画のアドレスを設定してみます。



URLの入力ダイアログで「挿入」ボタンを押してしばらくすると以下のような画面に切り替わります。これがNotebookLMのメイン画面で、ここにソースに対してGeminiとやり取りを行い、得られた情報をメモ・整理していく形になります。


大きく3つのペインに分かれ、左側がソース一覧となります。現在ソースは先ほど追加したYoutubeのURLのみですが、1つに限らず更に追加することも可能です。後でこの部分についてもう一度触れますので一旦次に行きます。

次に真ん中の「チャット」画面がありまして、ここでGeminiとのやり取りを行います。
初期段階ではソースに対する概要、つまり指定したYoutubeの概要が書かれています。
これだけでも結構役立つのではないでしょうか。


概要をざっと眺めてみまして動画の内容について理解はできたのですが、おもむろに「OpenX」という筆者の知らない単語が出てきたので「OpenX」って何?と聞いてみると以下のような回答が返ってきました。


あくまで「ソースによると~」ということなので、別途検索してみるとそれらしきサイトがあったので更に聞いてみます。

画像
これも「ソースによると。。」という言葉から始まります。
(NotebookLMを知っている方には今更だと思いますが)つまりNotebookLMは提供したソースに基づき回答を行っており、それ以外のところから自主的にデータを取りに行くということをしません。
そのため、Geminiから得られる内容をより充実させていくためにはソースを増やしていく必要があるのですが、それについては後述するということで一旦他の機能について言及させてください。

音声概要

次にチャットの下に「音声概要」というのがあるのでこれをクリックします。すると少々時間がかかった後(動画によると思いますが、私が試した1時間程度の動画であれば4~5分でしょうか)、右側のペインに以下のような内容が表示されます。
実は個人的にこれが一番面白かったです。
以下の画面を見ると何か音声を再生できるような雰囲気なのですが、実際の動画よりも短い再生時間となっていまして、いったい何が聞けるのか恐る恐る聞いてみたところ、おもむろに男性と女性の2人が「ラジオ番組のように」今回ソースに設定した動画の説明をしていました。


「ラジオ番組のように」とはどういうことかと言いますと、機械的に概要を読み上げるわけではなく本当に会話形式で、かつ、時々「えーと」とか、「そうですね」といったあいづちも含まれていまして、本当にリアルタイムでその2人がそこにいて、その動画について語っているかのようでした。
少々不真面目な感想になってしまいますが、まさかこういった情報が出力されるとは思わず、少し笑ってしまいました。。ただ、単に面白いというだけなく、2人より会話の掛け合いによって動画の内容が非常にうまく説明されていると思いました。皆さんも是非これだけでも試してみてもらえればと思います。

マインドマップ

次に同じくチャットの部分に表示されている「マインドマップ」をクリックすると右側に以下の内容が表示されますので、それをクリックします。
※同じ文章が並んでますが、間違えて2回押してしまったためです

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するとマインドマップという名前通りではありますが、今回のソースである動画の内容をマインドマップで整理した結果が表示されます。


これも非常に興味深い機能なのですが、動画が外国語の場合は日本語での出力が行われないようです。チャットで色々と試してみたのですが(私の場合は)駄目でした。
音声概要含め様々な機能が日本語対応されていますので、このマインドマップの部分も是非近いうちに日本語に対応してくれることを期待します。

より実践的な使い方

さて、ここまで幾つか機能を紹介したところでもう少し「どう使えば?」レベルに踏み込んでみたいと思います。
今度はウェブサイトのURLを設定してみます。当社のサイトURLを設定してみましょう。


メイン画面は以下。チャット部分にサイトに基づく企業概要がまとめられています。

マインドマップは以下の通り。サイト(だけ)をソースにするとサイトマップとほぼイコールになるように思われますので、それはそれで使い道の1つとして良いかもしれません。


仮に私が当社のコンサルとしてWebサイトの改善を検討しているとしましょう。
そこでソースの部分の「検索」をクリックし、「今後のSIに求められるものとしてどういったものが考えられるでしょうか。」と入力してみます。
※ちなみに弊社の「SI」は「シリアルイノベーター」の略になります。詳しくは弊社サイトをご覧ください

企業情報 | 株式会社ネクストスケープ

するとNotebookLM(Gemini)がその言葉を元に色々なソースを取得してくれますので、ソース元に設定したいものを選んで「インポート」します。今回はとりあえず全て設定してみましょう。

すると以下のように「ソース」に情報が追加されますので、チャットで「ネクストスケープのサイトで改善すべき点を教えてください」と質問すると上記ソースに基づいた回答が得られます。

出力結果・内容については割愛させていただきますが、単純に出力内容の行数だけで比較しても当社のURLのみをソースとした場合は30行、上の画像のようにソースを追加した後は60行近く出力されており、(その内容の良し悪しはともかくとして)ソースの追加による影響は明らかです。

メモのソース化

そして、出力された内容については以下のように「メモに保存」というボタンがあり、それをクリックすると右側の「メモ」に追加されます。

このメモはNotebookLMによって出力された内容も対象になりますが、その名の通り自身でメモした結果も保存することができます。

そして、各メモをクリックすると以下のように「ソースに変換」というボタンがありまして、これをクリックするとこのメモが「ソース」に追加されます。

つまり、今までのやり取りで得られた結果を更にソースにすることで情報を追加し、精度を上げ、階層的・構造的により良いものにしていくことができるわけです。

その他雑感

このようにNotebookLMは1つの事柄について理解し、深堀するために必要な様々な機能が盛り込まれています。
Xで他の方の利用方法を見ると膨大なPDFの資料を要約してもらい、更にCursorで整理するといったように複数のAIツールを組み合わせた使い方も紹介されています。
また、このNotebookLM、ソースとしてGoogleドライブ、Youtubeの2つが指定できるというのが強みではないでしょうか。
特にYoutubeの解析・要約は他のAIツールでもできるのではと思ったのですが、私がChatGPTやClaudeで実際試した限りでは動画内容を読み込むことができませんでした。
同じGoogleのサービスだから可能なのかもしれませんが、Youtubeの学習系の動画というのは視聴するのにそれなりの時間を要しますので非常に助かります。

また、最初の方で書いた通り、GoogleのサービスであるためにGoogleドライブをソースとすることができます。
会社によってはGoogleドライブに資料を集約しているところも多いかと思います。そういった方々にはNotebookLMであればすぐに活用できると思いますので是非使ってみてはいかがでしょうか。
NotebookLMは、「Web全体の情報から答えるAI」ではなく、「自分が読み込ませたソースに特化したAI」というコンセプトなので、個人の研究、ビジネス文書、会議記録などに集中させ、他のAIサービスのように余計な知識を挟まないようにさせることができるというのが大きなメリットとなります。
つまり、信頼できるソースを厳選することでハルシネーションの発生を抑えることができます。
ただ、これも他のAIサービス同様絶対に抑えられるわけでありませんので、ソース含め出力された内容については各自確認した上で利用してもらえればと思います。
料金もGoogleアカウントを持っているユーザーであれば誰でも公式ページからログインしてすぐに使い始めることができます。
興味のある方は是非ご利用ください。

最後に

当社ネクストスケープはこのように生成AIを始めとした新しい技術・知識を日々取り入れており、Webサイト、スマホアプリ、Hololensアプリの開発をはじめ、CMSを利用したサイトの新規構築やリニューアルなど、お客様のニーズに幅広く対応いたします。お困りのことがございましたら、いつでもお気軽にお問い合わせください。

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