はじめに
株式会社ネクストスケープ エンタープライズサービス部の小野塚です
今回はDifyというAIツールを触ってみましたのでその紹介記事となります。
DifyはLangGenius, Inc.(米国デラウェア州)という会社が開発した、正確にはオープンソースのAI開発プラットフォーム となります。
調べてみると去年のこの頃、AIブームとともに爆発的に利用者も増えたようで、既に様々な会社で利用されているツールとなります。
これに関する記事も既に色々と書かれてはおりますが、2025年6月の最新の状況かつ、初めて知る方に向けて。。ということで書いてみたいと思います。
早速ですが、まずはTOPページから。
海外のツールではありますが、既にこのように日本語で書かれたページがあります。ちなみに前回のGammaと異なりサイトの言語としては日本語、中国、英語の3言語から選べます。
作成開始~事前準備
早速ですが、TOP画面右上の「始める」をクリックして試してみましょう。
ログイン画面が表示されますのでそこからサインイン・ログインを行うと以下の画面になりまして、ここでアプリを作成していきます。
先に価格についてお知らせしておきますと、Difyには以下の3つのプランがあります(2025年6月15日時点の情報です)。
これはあくまで「Dify」の利用だけの料金となりますのでご注意ください。実際には使用したいAIのAPIキーを設定・利用することになりますので上記の料金プラン+使用したいAIの料金が必要になります。が、APIキーが用意されている方は無料で利用が可能になりますので興味のある方は是非お試しください。
改めてDifyについてですが、今までのプログラミングやデザイン開発、そしてプレゼン資料の作成サポートといったものとはまた別ものとなりまして、最初に「AI開発プラットフォーム」と書いた通り、AIアプリを作るためのツールになります。
更にはノーコード・ローコードツールであるため、エンジニアだけでなく、ビジネスユーザーまでを対象とした、誰でもAIアプリが作れるというのが特徴になります。
今回は、仮想の会社・製品についての資料、会社案内・製品仕様書・FAQの3つの資料をナレッジベースとしたRAGシステムをDifyで構築してみましょう。
まずはログイン後の画面において以下の「アプリを作成する」から「最初から作成」を選びます。
すると以下のような画面に遷移します。
画面左側の「アプリタイプを選択」において「チャットフロー」を選び、更にアプリの名前、説明を入力して「作成する」を押下します。
「チャットフロー」は今回作成するアプリのような会話専用のワークフローでして、「ワークフロー」は汎用的な処理フロー、例えば文書の自動処理としてPDFをアップして、テキスト抽出、要約、翻訳してメールを送信するといった一連の流れを行うためのものになります。
チャットフローを選択し、その他の必要事項を入力すると以下の画面に遷移します。
ノーコード・ローコードツールであるため、GUIベースで「ノード」と呼ばれる各機能単位・処理単位を組み合わせてアプリを構築していきます。
AIモデル設定
では、まずは「LLM」ノードをクリックすると右側に以下のようなウィンドウが表示されます。
「AIモデル」に「!」マークがあるのでパッと見で気付いた方もいらっしゃるかもしれませんが、事前準備としてAIモデルの設定が必要となります。
ですので、ちょっと順番が前後しますが、先にAIモデルの設定を行い、その後再度この画面に戻って構築を進めていきましょう。
Difyの設定画面から「モデルプロバイダー」を選ぶと以下のような画面になります。
ここでそのAIモデルを使用するか、そしてのそのAIモデルのAPIキー等を設定します。様々なモデルが利用できることがわかるかと思います。
当然ながらこの設定前には各AIモデルのAPIキーを利用できるようにしてください。今回はGeminiを使いたいと思います。
「プラグイン」という表現になっていますが、ここでモデルを選び(インストール)、APIキーを設定します。
正しく設定できると以下のようになりまして、「API-KEY」右側のランプがオレンジから緑色になります(注意書きも出てますがそこは気になさらず。。)。
では、先ほどのアプリ構築の画面に戻って、「開始」と「LLM」の線にマウスを移動すると以下のように「+」のアイコンが表示されますのでこれをクリックします。
すると以下のようなウィンドウが表示されるので実行したい言処理を選びます。今回はRAGを実現したいので「知識検索」を選びます。
すると以下のように「知識検索」のノードが追加されます。
ナレッジベース作成
次に画面上部の「ナレッジ」をクリックします。
以下のように「ナレッジベースを作成」の画面へと遷移しますので、
「ナレッジベースを作成」の「+」をクリックします。
するとデータソースの選択を促されますので今回は「テキストファイルから。。」を選択します。少々文字が小さくて見づらいかもですが、「TXT」ファイル以外にWork、Excel、PDF等、テキストファイルといっても様々なファイルに対応しています。
次にアップロードしたファイルに対して「チャンク設定」、つまり長い文書を、AIが理解しやすい小さな単位に分割する設定を行います。
見切れていますが、画面下部の「保存して処理」ボタンをクリックすると「CloudSync Pro」という仮想のソフトウェア製品のナレッジベースが作成されますので、同様にこの製品のFAQの資料やこの製品を扱う会社の案内資料もアップしていきます。
各種ノード設定
次に再度アプリ構築の画面に戻り、「知識検索」で先ほど作成したナレッジベースを設定します。
更に最初に選択した「LLM」をもう一度クリックし、AIモデルや「SYSTEM」「USER」等を設定します。
「SYSTEM」と「USER」ですが、いわゆる「AIとの会話における役割設定」でして、具体的には
SYSTEM: 「AIの性格・役割・ルールを決める指示書」
例:「あなたは親切なカスタマーサポート担当者です」
USER: 「ユーザーが実際に入力する質問や内容」
例:「商品の返品方法を教えて」
といったものになります。
つまり、SYSTEMでAIの「キャラクター設定」、つまりはAI行動指針を決め、USERで「実際の質問」を入力する仕組みです。
上の画面が実際に設定した内容になりますが、ここをちゃんと設定しておかないと望んだ回答が得られませんでしたので(会社情報なのに製品情報のような回答をされてしまったり。。等)、今回のようなアプリ、構成で作成する場合には一番注意が必要になる部分ではないかと思いました。単に私のプロンプト等がよろしくなかったのかもしれませんが、できる限りAIが正しい方向に進めるようにしておくことにこしたことはないかと。
「プレビュー」機能
そして、画面右上の「プレビュー」ボタンを押下すると以下のようなウィンドウが開きますので、ここでテストが行えます。
以下が製品についての問合せ結果。
以下が会社に関する問合せ結果となります。
終わりに
こうして作成したアプリについてはAPI経由で利用できるようになりますが、今回は割愛いたします。
このように非常に簡単な例ではありますが、このようにGUIベースで簡単にAIアプリを作成することができます。
実際には精度を上げるために更に調整、設定が必要になりますが、それでもこのようにエンジニアでない方々でもプログラミングの知識を必要とせず、アプリを作成できるのは非常に魅力的だと思います。
実はこのDify以外に似たようなノーコード・ローコードのAIアプリ作成ツールとしてFlowiseというツールも試していたのですが、GUIのわかりやすさ、扱いやすさという点においてはこちらのDifyの方が個人的には良さげでした。
ただ、Flowiseも「エンジニア寄りの」ノーコード・ローコードツールと呼ばれ、Difyよりも高い自由度を持っており、人によってはDifyよりも高い評価を得ているようなので改めて本ブログに書ければと思います。
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