はじめまして。システム開発本部の富村です。
4月23日(火)、JA共済ビル カンファレンスホールにて「QCon Tokyo 2013」が開催されました。
■QConとは
最新技術を追い求めるデベロッパのための情報コミュニティ「InfoQ」が主催する、
エンジニアによるエンジニアのためのハイクオリティなワールドワイド カンファレンスです。
http://qcontokyo.com/qcon.html
今回は以下の5つのカテゴリについて、様々な講演が行われていました。
・組み込み カテゴリ
・クラウド カテゴリ
・ビッグデータ/分散技術 カテゴリ
・モバイル/HTML5 カテゴリ
・アジャイル/モデリング カテゴリ
私は個人的に興味のあった、モバイル/HTML5 カテゴリや、アジャイル/モデリング カテゴリの
講演を中心に参加させていただきました。
どれも興味深い講演ばかりでしたが、ここでは三浦 敦史さんによる「HTML5と情報表現の最適化」について
少し触れたいと思います。
■HTML5と情報表現の最適化について
Webサイトを閲覧する環境といえば一昔前まではPCがメインでしたが、昨今は携帯電話はもちろん、
スマートフォンやタブレット型端末など、様々なデバイスでの閲覧が可能となっています。
Webサイトを構築する際、これらの多くのデバイスへどう対応するかということについて説明されていました。
例えばPCに比べて情報の表示領域が狭いスマートフォンに、PCと同じ情報を全て載せようとすると、
情報量が多くなりすぎてしまい、結果としてユーザーにとって分かりにくいサイトになってしまう。
情報を詰めこむのではなく、それぞれのデバイスに対して最適な情報掲載を行う、コンテンツファーストの
考え方が必要がある。
それには技術的なテクニックに拘りすぎず、本来の情報部分をどう表示するかを考え、情報構造の最適化が
重要と指摘されていました。
情報最適化の方法として、コンテンツの構成内容を知るために、以下のようなプロセスが挙げられました。
・明確な枠組みによる情報の構造化
ヘッダー、フッター、ナビゲーション、記事、記事の中のヘッダー、記事のセクション…と、枠組みを考えていく
・アウトラインの構造化
articleやsectionといった要素を利用してアウトライン構造を明確にし、機械が認識しやすくする
(Google Chromeの機能拡張HTML5 Outlinerなどを利用すると、アウトライン構造の表示ができる)
・Microdataによるコンテクストの拡張
itemscopeやitempropなどの属性を利用してHTML文章内の情報を意味づけることで、機械がHTMLコンテクストを認識しやすくなる
・OGP(Open Graph Protocol)を利用したMETA情報の提供
各SNS上での表示内容を指定する
その他には、PC用のコンテンツをiPadに対応させるという、実際の案件を用いて、最適化のポイントを
詳しくご紹介いただきました。
開発のための想定項目として、
・利用ユーザの特性を考える
こういったコンテンツを利用するのであれば、iPadの操作にある程度慣れているのでは?など
・iPad的な操作方法を利用する
フリック、タップなど
・表示項目を絞る
携帯端末内に情報を詰め込みすぎると、ユーザにとって判りづらくなる
などが挙げられていました。
全ての情報は書ききれませんが、ユーザーがどの端末で見ても必要な情報が見えることが重要であり、
そのために考慮すべき様々なことを再認識することができました。
日頃の業務の中でも、Webサイトを構築する上でPC以外のデバイスへの対応は非常に多く、
重要だと感じています。
最適な情報発信をするための、具体的なポイントをいくつも挙げながらの講演は、とてもためになりました。
講演以外にも、ホワイエにはコミュニケーションスペースがあり、皆さん自由に会話を楽しまれていました。
講演終了後のビアパーティでも、技術者同士あちこちで色々な技術話に花が咲いていたようです。
今回のQConでは、一日の中で様々な貴重なお話を伺うことができ、とても充実した時間を過ごすことが
できました。
興味がある方は、是非次回参加してみてはいかがでしょうか。