NEXTSCAPE blog

株式会社ネクストスケープの社員による会社公式ブログです。ネスケラボでは、社員が日頃どのようなことに興味をもっているのか、仕事を通してどのような面白いことに取り組んでいるのかなど、会社や技術に関する情報をマイペースに紹介しています。

MENU

CNTKの環境をAzureVMでゼロから構築する

こんにちは。
ネクストスケープ上坂です。

今日はMicrosoft Congnitive Toolkit、略してCNTKの環境をAzureVMで構築してみたいと思います。
CNTKはMicrosoftが提供しているオープンソースのDeep Learningモデル構築&実行環境です。

f:id:nextscape_blog:20210910194424p:plain

御存知の通りAzureにはNシリーズというGPU付きのVMがありますので、そちらを使ってGPUで稼働するCNTKをゼロから作っていきます。

ちなみに、Azureには既にCNTKをインストール済みのイメージもありますが、なぜかうまくデプロイできなかったのでゼロから構築してみました。

 

まず、Azure上でGPU付きのVMで立てます。私はOSをWindows Server 2016にしました。

ちなみに2017/05/26時点では、GPU付きのVMを立てられるリージョンはとても限定されています。
米国東部、米国中南部、米国西部2の3リージョンだけです。
詳しくはこちらをどうぞ。
https://azure.microsoft.com/ja-jp/regions/services/

Deep Learning用のVMは、NC-シリーズです。
立て終わったら、VMにRDPでログインします。

1.GPUドライバーのセットアップ

詳しい手順はこちらです。
https://docs.microsoft.com/ja-jp/azure/virtual-machines/windows/n-series-driver-setup

Windows Server 2016 用のドライバーをダウンロードし、インストールします。

f:id:nextscape_blog:20210910194504p:plain

 

手順に書いてあるとおり、デバイス マネージャーで確認してみます。
コントロールパネル > ハードウェア > デバイスマネージャーで開きます。

ディスプレイ アダプターを展開すると、こんな感じでカードが刺さっているのがわかります。
NVIDIA Tesla K80が4つある、ということはカードは4枚(!)刺さっている、ということです。

 

f:id:nextscape_blog:20210910194531p:plain

GPUデバイスの状態確認は次のexeを動かします。コマンドプロンプトにコピペします。
パスにスペースを含んでいるのでダブルクォーテーションをそのままで。
"c:\Program Files\NVIDIA Corporation\NVSMI\nvidia-smi.exe"

f:id:nextscape_blog:20210910194601p:plain

2.Visual Studio のセットアップ

Visual Studio 2015 with Update3のインストールです。エディションはなんでも構いません。
この手順は次の3.でインストールするCUDA8の System Requirementsです。

私はEnterpriseのフル版をいれてしまったのですが、そうじゃない場合は Common Tools for Visual C++ 2015を明示的にインストールする必要があるようです。

f:id:nextscape_blog:20210910194623j:plain

3.CUDA8のセットアップ

CUDA8をインストールします。これをいれないとNVIDIA製GPUを使ってくれないようです。
よくわかりませんが入れます。次のリンクから、インストーラーをダウンロードします。

https://developer.nvidia.com/cuda-downloads

f:id:nextscape_blog:20210910194649p:plain

4.Anaconda Python 3.5のインストール

Pythonの実行環境をインストールします。Anacondaという便利なものがあるようで、これをインストールするとJupyterもインストールされます。

https://docs.microsoft.com/en-us/cognitive-toolkit/Setup-Windows-Python#anaconda3

f:id:nextscape_blog:20210910194715p:plain

無事にインストールされたかを確認しましょう。
コマンドプロンプトで

python --version

と入力します。

f:id:nextscape_blog:20210910194741p:plain

こんな感じで表示されたらOKです。

5.WindowsへのPython用CNTKのインストール

さて、いよいよCNTKのインストールです。インストールにはpipというPythonのパッケージ管理ツールを使用します。

次のリンクから該当するPythonバージョンに合わせてURLをゲットします。

https://github.com/Microsoft/CNTK/wiki/Setup-Windows-Python

今回はPython 3.5をインストールしているので、

https://cntk.ai/PythonWheel/GPU/cntk-2.0rc3-cp35-cp35m-win_amd64.whl

というURLを使うことになります。

f:id:nextscape_blog:20210910194806p:plain

コマンドプロンプトを開いて、

pip install https://cntk.ai/PythonWheel/GPU/cntk-2.0rc3-cp35-cp35m-win_amd64.whl

をコピペします。

環境構築は以上です。お疲れ様でした。