はじめに
株式会社ネクストスケープ Chief Technology Office所属の小野塚です。
「Opal」は、Googleが最近公開した自然言語で強力なAIミニアプリを構築できるツールです。
SNSでは1週間前ぐらいから既に話題に挙がっていたのですが日本では利用することができず、10月7日にやっと利用できるようになったので早速試してみました。
ログイン直後の画面は以下のような感じです。

アプリ作成
とりあえず、Your Opal appsの「Create New」をクリックしてみましょう。
日本でも公開されているようになったものの、文言は英語です。ちょっとそこに抵抗を感じる人もいるかもですが、操作は非常に簡単なので今回の記事を参考に是非触ってみてください。

パッと見たところ、ちょっとどうしたらよいかわからなくなってしまうかもですが、他のAIツールと同様入力欄が画面下部にあり、「Describe you want to build」=「作りたいものを書いてね」とありますので、とりあえず書いてみましょう。
他のAIツールの記事でもBMIを計算するアプリを試しに作ってもらったので、今回も比較のためにそれで行きたいと思います(ちなみに以下の記事がそれです。これもGoogleのサービスですね)。
ということで以下のプロンプトを入力します。
「BMIを計算、出力するアプリを作って」
するとあれよあれよという間に以下のような内容が表示されます。

他のAIツールに詳しい方には「Dify」っぽい画面と言えばおわかりになりますでしょうか。
幾つかの機能を持つコンポーネントを組み合わせ、それがアプリになるというものです。
上のスクリーンショットですとちょっと見づらいのでもう少し1つ1つ見てみましょう。
各コンポーネント説明
まずは身長、体重を入力する。ということでそれぞれのコンポーネントがあります。

次にその2つのデータを合わせる形で「BMIを計算する」というコンポーネントが。

試しに上のコンポーネントをクリックすると以下のような内容が表示されます。
「あなたはpythonの熟練プログラマーです。云々」

そして最後に最初に入力した「Height」「Weight」でBMIを計算する旨が書かれています。このように各コンポーネントに役割を与えているのですね。このあたりは他のAIツールにおけるプロンプトと同じような感じかなと。

ふたたび各コンポーネントの説明に戻りまして、次は「BMIを解釈する」、つまりは太り気味、痩せ気味といった判定部分。

そして「結果ページの出力」です。

検証
こうしてアプリを作ったはいいものの、どこで試せるの?ということになると思いますが、デバッグ段階であれば画面右側のウィンドウの「Preview」を選択してください。そこにアプリの画面が表示されるはずです。
完成している、もしくはある程度動くことがわかっているのであれば、画面上部の「Editor」「App」が並んでいると思いますが「App」を選択することで全画面で確認できます。
今回は「App」で動かしてみます。

ブラウザ画面上にアプリが表示されます。まずはTOP画面。「Start」で開始します。

身長を入力。

体重を入力。

計算中の表示が入り、

BMIの計算結果が表示されます。

ちなみにPreviewで実行すると現在動いているコンポーネントの周りが点滅しますので、それによって処理の進行状況が確認できます。

Opal自体は英語なのですが、コンポーネント内の記述は日本語にも対応しており、例えば結果出力のコンポーネントにおいて「文章は日本語で」と指示すると以下のようにちゃんと日本語で出力してくれます。

改修してみる
さて、プロンプトだけで終わりにしてしまうと他のアプリ生成ツールと同じ内容になってしまうのでOpalならではの方法で改修してみたいと思います。
エディタ画面で「Generate」をクリックすると新しくGenerateコンポーネントが表示されます。

新しいコンポーネントを既存のコンポーネントに結び付け、「アドバイスを生成」というタイトルを設定し、内容としては「計算結果を元にブラウザでBMI結果を元にしたアドバイスを検索し、生成する」とします。

さてこれでもう一度試してみましょう。数値は肥満気味にしてみます。
すると単純に結果を表示するだけでなく、以下のような健康に関するアドバイスを詳細に表示してくれます。

ちなみにコンポーネントの接続ですが、下の画像、赤枠の部分をドラッグ&ドロップして他のコンポーネントに繋げることで接続できます。

接続を削除する場合は接続している線を選択し、右クリックで「Delete selection」をクリックすると削除されます。

取り扱えるデータ
あとは今回その場で入力したデータのみを扱ってみましたが、他にどういったデータを扱えるのかを調べてみました。
まず、Add Assetsという機能がありまして、これでGoogleDriveやYouTubeの動画等も扱えるようです。「Upload file」で自身のPCのファイルもアップできるようですが、どんなファイルでも扱えるかというとそういうわけではありません(表示される拡張子がかなりあるので具体的に挙げられず。。スミマセン)。例えばCSVファイルではなくTSVファイルは読み込めないようでした。

あとはアプリ内での入力においても入力欄の+アイコンをクリックすることで以下のようにインプットとして扱えるデータが表示されます。
これも自身のPC内のファイルで合ったり、GoogleDriveであったり、動画であったりと色々扱えます。
今回は試しませんでしたが、マイクアイコンもあるのでその場で音声入力もできそうですね。

試しにCSVファイルを読み込み、画面に表示するアプリも作ってみました。単純なアプリなので当たり前と言えば当たり前ですが正しく動作しています。
ちなみにこれでもTSVファイルは駄目でした。データ量も小さいのですが、私だけの問題なのかよくわからず。。

最後に
いかがでしたでしょうか。AIツールを多少使い慣れた方であればあまり試行錯誤することなく、上のようなアプリがかなり簡単に作成できると思います。
よくあるノーコード・ローコードアプリのように「まずは画面の操作から」ではなく「まずはプロンプトから」で始められるという点はユーザーのハードルを更に下げるという意味では非常に大きいと思います。
今のところ無料で利用もできますので是非試してみてください。
ただ、上で書いた通りインプットも色々と選択肢はあるものの、データベースには接続できず、基本的に初心者向けという印象で自由度としては(かつ類似ツールとしては)Difyの方が上かなと思います。
ただ、それが許容できるようでしたらこのOpalで作成した方が学習コストの低さ、手軽さという点では非常におすすめできます。
このOpal、まだ発表されたばかりということもあり、更なる進化が期待できます。
引き続き注視し、キャッチアップしていこうと思います。
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